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2006年3月12日 (日)

変な滑走路

Img_3646  成田空港の鳥瞰写真です。

 成田には二本滑走路があり、メインのA滑走路(4000㍍)が写真下部、B滑走路(2180㍍)が写真上部です。

 B滑走路をよく見てもらうと、中心のターミナルから随分離れたところに滑走路があることに気づきましたでしょうか?中央の白く見える部分がターミナルや駐機場がある場所ですが、その上にポコッと三角の部分があり、その左から滑走路が伸びています。この「三角の部分」には、実は民家や農地があり農家一家が現在も住んでいます。他に6戸が土地を所有しています。この土地があるため、国や空港公団(当時、現成田国際空港会社)は滑走路をずらして作らざるを得なかったのです。B滑走路の正式名称は「B暫定滑走路」。長さが2180㍍と中途半端なのは「とりあえずの滑走路」だからです。

 この農家はなぜこんなところに住んでいるのか。成田空港の歴史を知らない人にはかなり不思議な状況ですが、簡単に言うと「空港の中に住んでいる」のではなく、「家の周りに空港を作られた」のです。成田空港の歴史を一から説明すると本が一冊出来てしまうので端折ってしまいますが、成田は未曾有の反対運動を押し切って作られた空港で、数年前まで空港用地内に、この農家だけでなくもっとたくさんの民家や農地がありました。そのため1978年の開港から長い間、B滑走路を建設できず、滑走路一本のみで運用してきました。

 空港公団の用地部は硬軟織り交ぜての交渉で、反対派を説得して土地を取得してきましたが、この「三角の部分」(正式には東峰地区)に土地を持つ反対派だけはなかなか説得できない。国は「日本の玄関口がいつまでもこれではいかん」と痺れを切らし、この部分を避けて、滑走路をずらして作るという奇策に出たのでした。念願の二本目の滑走路ができたのは日韓共催サッカーW杯が開催される2002年でした。

 この反対派の人たちに対しては「国益を害している」「日本の恥だ」と批判も多いです。確かに、この未買収地があるために税金は余分にかかり、滑走路の使い勝手も悪い。安全上の問題もある。しかし、反対するのは反対するだけの理由があるようです。

 滑走路の端に住み続けるということは、並大抵のことではありません。頭上40㍍をジェット機がかすめていく。轟音もさることながら、その恐怖心は想像以上です。それでもなお反対を貫いている人たちに、無責任な第三者が軽率に批評をすることはどうかなと思います。

 この問題は非常に奥が深いので今後も扱ってみたいと思ってます。

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