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2006年3月13日 (月)

談合って何?

 3月8日、東京地裁で成田国際空港会社(旧新東京国際空港公団)の元幹部二人に競売入札妨害罪(談合)で有罪判決が出ました。成田空港の電機設備工事で「官製談合」を主導した罪です。

 そもそも「談合」って何でしょう?

 民間でも役所でも、何か高額なものを買ったり工事したりする際、入札が行われます。受注したい業者は「ウチはこの金額で出来る」と金額が書かれた札(紙)を入れ、一番安い業者が請け負う仕組みです。競わせてなるべく安い費用で済ますことが入札の目的です。ビルを建てたり、道路を作ったり、ダムを作るなど金額が大きくなればなるほど入札の果たす役割は大きいです。

 しかし、工事などを受注する業者の立場から言えば、競争が激しくなればなるほど利益は少なくなります。そこで、入札に参加する業者で密かに話し合って受注企業を予め決めてしまうのが「談合」です。発注する側は「予定価格」と呼ばれる上限の額を決めています。入札の際にこの予定価格を超えると失格になります。談合をする業者は、なるべく高い利益をあげるために談合をするわけですから、この予定価格ぎりぎりで落札します。発注側が「この工事は100万円以下でできるな」と予定価格100万円の入札を行うとすると、公正な入札なら参加業者はなんとか安く工事が出来ないかと知恵を出して競争し、大体70万円くらいになります。しかし談合が行われると、90万とか99万の札を入れた業者が落札してしまいます。みんなグルですから、他の業者はわざとその業者より高い金額で札を入れるわけです。

 ただ、この「予定価格」というのは大抵の入札において最高機密のものです。ではなぜ談合業者たちが予定価格ぎりぎりで落札できるかというと、発注側も協力しているからです。業者側にこっそりと予定価格を漏らすのです。発注者が役所の場合、これが「官製談合」と言われるものです。

 専門家に言わせると、公正な入札の場合、落札額は予定価格の70~85%になるといいます。これが90%を超えると談合の可能性が高い。成田空港の事件の舞台となった電機設備工事ではほとんどの工事が90%以上でした。成田空港ほど大きな施設になると、工事の額も億単位です。成田空港は税金で作られた空港です。談合が行われたことにより、いったい何十、何百億円が無駄になったのでしょう?

 空港会社元幹部二人は、官製談合を行った動機に「天下り」を挙げています。業者を儲けさせることで、退職した後に雇ってもらおうという訳です。そんな理由で血税が業者の懐に入っていった。

 3月8日の判決の中で、裁判官は重要なことに言及しています。「受注企業の割り振りや予定価格の漏洩は業務の一種として行われ、公団内部で反復継続的に行われていた」。つまり、「今回この二人を有罪としましたけど、官製談合は公団の『仕事』としてずっと行われていた」と裁判所が認定した訳です。競売入札妨害罪の時効は5年ですので、この幹部二人より前の人たちは罰せられない。空港会社の内部からは「二人は運が悪かった」という声が聞こえてきます。

 この元幹部二人はいずれも定年まであと数年だったのですが、懲戒解雇され退職金ももらえず、メディアには犯罪者として扱われ、顔写真も報じられました。聞くと、二人とも人望が厚く、会社内部の評価は高かったそうです。どこにでもいる普通のサラリーマンだったのです。先輩から「業務」として引き継いだ官製談合の慣習を会社人間として忠実にこなしていたら、たまたまバレてしまったというのが真相でしょう。

 やったことは言い訳は出来ないれっきとした違法行為ですが、ちょっと同情してしまいます。散々うまい汁をすった人間は逃げのびてのうのうとしてるのに。

 しかし、官製談合があったのは「電機設備工事」だけなのですかね?

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